ebayで買ったユニフォームは輸入盤の匂いがした
「これはレコード屋と一緒だ」
サッカーユニフォームのショップでセール品をあさりながら、ふと気付きました。
ズラッと並んだユニフォームは、薄いハンガーに掛かっている部分しか見えません。でも、デザインは何となく分かるので、欲しいユニフォームに似ていると期待を込めて引っこ抜いては、軽くがっかりしながら戻して、隣のを引っこ抜く。中古レコード屋で、指先を黒くしながら、掘り出し物がないか探していたときのことが思い出されました。
レコード屋からは足が遠のきましたが、こうやって同じように黙々と引っこ抜いてる自分が可笑しいです。
以前も書きましたが、欲しいユニフォームがいくつかあって、ボチボチ入手しているんですけど、全然見かけないのもあります。
オレンジがお洒落。ルコックのマークもイイ!
エバートンの11/12シーズンのなんですが、これが売ってないんですよ。こんなカッコいいのに。何とかならんかなーと思ってふと検索してみると、売ってるじゃないですか。しかも安値で。ebayってとこで。
EVERTON FC
home SHIRT
Made by – le coq sportif
USED. CONDITION: PERFECT
SIZE: S
サイズSか!これは希少。ebayは日本語対応していないんですが、色々ネットで指南してる人がいるんで、何とかなるだろと思い切って挑戦してみることにしました。
オークション自体初めてだったんですけど、手に汗握る展開でライバルを蹴落とし、見事12ポンド(2000円くらい)で落札。真夜中にガッツポーズ…と、ここまでは良かったんですが、支払を完了しても、1週間何の連絡も来ない。
出品者はポーランドの業者で、日本への配送に対応していることは入札前に確認してました。ワールドワイドに5ポンドでって。ですが、ebayから、出品者が配送方法を指定していないから連絡取って配送方法をリクエストしなってメッセージが!
ポーランドから日本への配送方法を指定するって…。目眩を覚えながらググってみても、あんま情報ない上に何か高そうなのしか出てないんですよ。本体より高い。しょうがないからポーランドの郵便局のサイト見たんですけど、ポーランド語なんですよ。当たり前だけど。いちいちグーグルで翻訳しながら調べたんですけど、全然ダメ。
しょうがない。業者に訊くことにしました。どんな配送方法があって値段はいくらか教えてくれと。ボラれたらどうしよう。調べ始めてから4時間以上経ってました。
そして翌朝、業者からメッセージが、日本には5ポンドでトラッキングナンバー付きだよって軽く返ってきたんで、それ登録してないだろ!さっさと送れ!とキレそうになったんですが、お昼に海外から怪しい荷物キターと家から連絡が。
A4くらいの小っちゃい包みでした。
…とっとと送ってたんですね。モノはパーフェクトコンディションの割りには首のとこに薄く文字が書かれてあるのが見え、ボタンが付いてなかったんですが、汚れはないし、値段を考えれば十分です。
そして、海を渡って送られてきたユニフォームは、独特の匂いが…。あ、これアレだ。輸入盤の匂いだ。ちょっと違うけど何か似てる。
思えば輸入盤屋も、初めて入るのには勇気が要りました。80年代後半、多摩の片隅の高校生にとって、そこはオシャレで敷居が高いか、強面で敷居が高いか、どちらかでした。ドキドキしながらレコードを買って、電車に揺られて家に帰ってジャケットから取り出した瞬間、レンタルレコード屋で借りたレコードとは違う匂い。そんなことが一瞬思い出されました。
高校生の頃抱いていた海の向こうへの憧れは、もうないですけどね。それでも自分は舶来品に弱いのかと、改めて思いました。リバプールからポーランドか…リバプールから手紙なんて映画があったな…そういえばワルシャワって輸入盤屋あったな…。
ebayのおかげで輸入盤屋の商売が苦しくなったらしいんですけどね。まあ無理もないかと思いつつ、メキシコ98のユニフォームが現れるのを虎視眈々と狙ってます。
初めて買った輸入盤はピストルズだったけど、思い出深いのはリアルタイムで買ったこっち。ハルのバンドだけど。