boofoooohの日記

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夏の終わりとオバQ KIRINJI「11」を聴く

日中暑いですが、夕刻が迫ると夏の終わりを感じますね。昨日、仲良くさせてもらってるチームの練習に参加してたっぷり汗をかいた後、銭湯に入ってビールを飲む店を求めてふらふらしてると、涼しい風と蝉の声とどこか遠くなった空の色に、ああもうこんな時期かと感じ入りました。

夏の終わりというと、自然とキリンジの「午後のパノラマ」を口ずさんでるんですが、キリンジといえばしばらく前に新譜を出しましたね。今頃ですがそのお話を。

 

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ジャケットの上の方、やべっ染みつけちゃったって一瞬思いませんでした?

 

そうそう、キリンジじゃなくてKIRINJIなんですね。iPhoneに落としてさあ聴こうと思ってペロペロ探してたら見つからなくて、一瞬焦りました。その新生キリンジならぬKIRINJI、メンドくさいんで以下キリンジの新作「11」ですが、一聴して思ったのは、「キリンジのトリビュートアルバムみたいだな」という身も蓋もないものでした。

ご存知のとおり兄弟ユニットのキリンジは、メインボーカルと曲も作ってた弟が抜け、2人組からバンド編成になったんですが、メインボーカルが抜けるっていうのは相当な変化ですよね。ライブの感想のとこにも書きましたが、バンドメンバー何人かでボーカル回すようになり、兄の歌い方もちょっと変わりました。

そんなもんで違和感あったと思うんですが、それが悪いってわけじゃないです。で、曲もボーカルやった人が作ってんのかなと思ったら、全部兄の作でした。コトリンゴが歌う「fugitive」なんて、ほうこんな曲作るんだと思ったんですけどね。クレジット見るまで。

私、モリシーにいきなり歌詞カード読み出すんじゃなくてまずレコード聴けって説教されてから、CD買ってもしばらくはブックレットは見ないで聴く癖がついてまして。キリンジはまず曲が凝ってて、さらに歌詞にひねた物語性があったり、ボキャブラリーが豊富だったり、ミドルテンポの曲に「笑わせるなっつーの」とか強力なフレーズを入れたりして、耳だけで聴いてると何歌ってんだか分からないこと多々なんですが、繰り返し聴いてるうちにだんだん分かってくる楽しみがあったりします。

でも実際に歌詞カード見ると違ったりして、10曲目の「クリスマスソングを何か」は三軒茶屋で酔っぱらって楽しくなってると思ったら三賢者だったんですね…。

 3曲目「雲呑ガール」も掛け合いの部分が聞き取りづらかったりして、何の歌か良く分からなかったんですが、後になって、「だけど猫ちゃんは絶対食べないんだってさ」てフレーズがふと思い出され、これってあれか、ひょっとしてオバQじゃね?と思って歌詞カード見たら、「だけど犬にはとっても弱いんだってさ」のフレーズを発見して嬉しくなりました。しかもオバQの曲改めて聴くとカッコイイんですよ。

 

 ファンキー!

 

ほかにも「虹を創ろう」の前が「狐の嫁入り」(=天気雨のことも指す)だったりして、遊び心溢れてますが、冒頭の「進水式」や最後の「心晴れ晴れ」(凄いタイトルだ)は思いがストレートに表れていて、気合の入り方が分かります。

 

来月からツアーが始まるんで楽しみです。とにかくみんな楽器上手いんで、あとはボーカル。個人的にはこのアルバムでも良い味出してた弓木英梨乃にもっと歌ってもらいたいですが、素晴らしいミュージシャンをバンドに迎え入れて、自由度が増した兄に期待するのが筋ですかね。いやーキリンジが続いて良かった。夏の終わりも寂しくない。

 

兄も言ってましたがverveってとこがまたいいですね。CDがカッコイイ!