boofoooohの日記

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ブリッジ再結成ライブを観る

1曲目は「windy afternoon」でした。演奏が始まったときに、目頭が一瞬熱くなりました。昔より大分小さなタンバリンを持って大友さんが歌い始めました。会場時間しばらく前から並んでいて、前座の2バンドを経て3時間以上立ち続けで、結構疲れていましたが、全てリセットされたような、不思議な感覚に陥りました。

 

ブリッジの再結成ライブ、とにかく行かなくちゃ、と思いましたが、片方で行っていいんだろうかという気持ちもありました。

大好きなバンドに再会する。最後に観てから20年活動していなかったバンドの。そりゃ観に行くんじゃないの?今でも好きな曲を、本人達が演奏するのをぜひ生で体験したい。

そうなんですけどね。私が好きなのは20年前に足繁くライブに通っていたブリッジであって、再結成したブリッジが気に入るかどうかは分からない。じゃあそれを確かめに行くのかっていうと、そういう気持ちでもない。

活動再開するというなら、じゃあこれから応援しなきゃと思ってライブに向えるんですが、これで終わりなんですよね(実際にはあと1回あるんですけど)。

20年前と同じはずはないし、もし残念なものだったらどうしよう。私はブリッジに刹那の美しさを感じていたのかもしれません。当時好きだった80年代のインディーバンドはおしなべて短命でした。一瞬輝いて、消えていきました。

 

それでも目の前に再び現れたブリッジ。バンドの準備ができるまではステージ前にスクリーンが降ろされ、延々とスタイル・カウンシルのビデオを流していましたが、キーボードの池水さんがスクリーンに納まらず、アコーディオンを持つ姿が垣間見えます。

やがてスクリーンが上がり揃ったメンバーは、書生風だった清水君が風格出ていたり、相応に歳取った感じ(カジ君除く)もしましたが、会場に来ているみなさんが立派に年齢を重ねた感じがするのに比べると、大して変わってないレベルです。

 ライブの前説もやったトラットリア産みの親、牧村憲一のツイート。写真がねえ、私の位置からは人の頭が邪魔で撮れなかったんですよ。

 

そして始まった演奏は冒頭のとおり、20年のギャップを感じさせないものでした。
長丁場だったにもかかわらず、全体を通してダレることなく、まとまっていました。リズム隊が安定していましたね。

ちょっとゆっくり目にプレイしていたとか、大友さんがときおり声が出なくてちょっと苦しそうだったりとかありましたが、気になりません。清水君のギターの音色が変わって、弾き方も変わりましたね。音を出すタイミングをギリギリ遅くしているというか、余裕が感じられるプレイでした。

 

2曲目以降も「kiss my thought good-by」「change」「room」と初期の曲が続きます。MCで、「できるだけオリジナルに忠実に」演奏するとカジ君。

オリジナル?ブリッジ自身が演奏すればそれだけでオリジナルではないのか?続けて「motorcycle angel」を演奏する前に、「一番最初のデモに近いバージョン」と言っていましたが、CDとの対比だったんでしょうか。

わざわざそう宣言したのは、皆が求めているブリッジとはこれなんだと、彼ら自身が考えたというのは一つあると思います。皆が愛したブリッジを再現することを目指したのではと。目の前で、2度と聴けないと思っていた音楽が流れていきます。

「puppy love」の後に、ペニー・アーケードの佐鳥さんがゲストボーカルで「mission orange」。カジ君の変わらなさも衝撃ものでしたが、佐鳥さんも記憶とほぼ変わらない姿でした。歌い方も。

ドラムなしで「radio au go go」。ああ、やられた。凄くブリッジらしい曲なのに、この曲好きだったのに長いこと忘れてた。

あれほど好きだったにもかかわらず、この日、随分と忘れていることが多いと気づかされました。最後のライブも名古屋とか書いちゃいましたけど、大阪でしたね。

それは、会場で売られていたブリッジの歴史を総決算したジン(ていうんですね最近こういう冊子のこと)が凄い情報量だったからなんですが、中でも池水さんが取っておいたDMやライブ会場でのアンケート、そして日記が載っていて、一気に記憶が補完されました。

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私もDMや、アンケートは同行の姉の分を保管用にして、コンプリートしてたはずなんですが見当たらなくて…。回想のブリッジも、本当はこんな風にしたかったです。ライブの曲目見て、「old playfellows」がもう一度聴きたいと、切に思いました。

 

そして、素晴らしいことに、このジンにはデモテープを清水君がリマスタリングしたCDが付いてまして、それが吃驚するくらい音が良いんですよ。本人も語ってましたが、相当手間がかかってます。
前述の「オリジナル」ですが、おそらく、彼らも20年振りに集まって、自分達の原点を振り返って、自分たちの魅力がそこにあったと思ったのではないでしょうか。お客さんに喜んでもらうだけじゃなく、自分たちが楽しむために、初期の曲を、初期のスタイルで演奏することが目的だったんだと思います。

 

ただ、それは前半までだったようで、ライブは後半を迎えて趣を変えます。解散ライブにも登場したニール&イライザの松田岳二がゲストで「time swings」、ドラムの黒沢さんが戻ってきて「pool side music」、同じく解散ライブ登場のワックワックリズムバンドの三橋俊哉と国見智子のホーン隊が加わって「 水の中のクラックネル」「spoonful of mind」と賑やかに中後期の曲が続きます。

 

 

またどなたかが上げてくれたんで、参考までに貼っておきますね。途中までですけど本編は聴けます。最後sweet bells for…って前に書いたけど確かめられなかったな。大丈夫かな…。

 

さらに、ホーン隊と入れ替わりで小山田圭吾と佐鳥さんをゲストに初期の名曲「no vernal days」「he,she and i」。レコード買ってるとことか、ライブ来てるとことか良く見かけましたが、小山田君が演奏するの初めて生で見ました。 ギター頑張ってましたよ。

本編はここまで。アンコールはホーン付きの「ウォーターメロン・ビキニ」と「sweet bells for…」と納得の選曲でした。欲を言うと「sweet bells」は、オリジナルのギターの音色が良かったんですが…。

 

全部で90分を超える、多分これまでで最長のライブだったと思います。でも、もっと聴きたかったし、おそらくバンドももっとやりたい曲があったんじゃないでしょうか。

正直、演奏がこんなに充実しているとは思いませんでした。そして、ブリッジ自身が、初期のスタイルに思い入れがあるということが分かって、嬉しかったです。確かに20年前の姿ではなかったですが、彼らの良さだと私が思っていたことが、彼ら自身も認識していて、それを目の前で演ってくれた。このライブは、ブリッジの素晴らしさを再認識する場だったんだと気づきました。そう信じて足を運べば良かったんですが。

ジンやデモCDも含めて、こうやってブリッジの素晴らしさが共有できたことが嬉しいです。前にブログで書きたかったことが、目の前で実現している。だから言ったでしょ。ブリッジはライブに行かなきゃ良さが分からないって。

ライブ実現のために奔走したカジ君に、本当にありがとうと伝えたいです。

 

f:id:boofooooh:20150412161601j:plainということで、まだ読んでない方こちらもどうぞ。さあどうぞ。(→回想のブリッジ(上) (下) 

 

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