寒い戦い フロンターレ−モンテディオ観戦記
完敗でしたね、山形戦。ハイプレスを受けて打つ手なしの90分でした。テレビですけど、今季フロンターレ初観戦で楽しみにしてたのに…。いいとこなしでした。
この試合、少しずつ変化している風間フロンターレの戦い方が、今シーズンはどこまで革命が進行してるのかというのも見たかったんですが、個人的には相手チームの監督が石崎ということで、大変楽しみにしてました。
フロンターレが最も強かった時期の監督が関塚だったので忘れられがちですが、石崎こそ、その強いフロンターレの基礎を作った人です。私見ですけど。私が等々力に最も通っていたのがこの頃(J2で安くてゆっくり観れたから)なんで、石崎時代には思い入れがあります。
2000年、初のJ1を散々な成績で降格し、チームは建て直しを余儀なくされ、フロンターレはしばらく低迷期に入ります。この時期に監督となった石崎は、徐々に戦力となる選手を獲得し、ジュニーニョとケンゴが加わった2003年に昇格あと一歩まで迫りますが、勝点1差で及ばず(大分時代から通算3度目)、後任の関塚にチームを託すことになりました。
石崎時代の戦術は、前線からのプレスとショートカウンターで、これは運動量が多すぎて夏場に失速するという問題がありましたが、関塚はディフェンスラインでしっかり守って、ボールを奪ってからはケンゴを舵取り役に、能力の高い外国人選手を中心にイケイケで攻める戦術で成功を収めます。ですが、石崎時代のハードワークからの速い攻めをベースにしているからこその、攻撃的な戦い方だったわけで、その辺が当時のフロンターレの魅力だったと思います。
そのあとはまあ色々あって今の風間に至るわけですが、ショートパスを多用しながら相手を崩していくスタイルに大幅に変わりました。一方、現在石崎が率いる山形は、前線からプレスをかけていく、個々の力が足りない分を運動量でカバーするチームです。戦力からするとフロンターレに分がありますが、それゆえ、かつて率いていたチームとどう戦うのかが見どころ、というか何かやってくれんじゃないかと思ってました。
さて、フロンターレは3バックで、中盤のサイドに新戦力となる車屋(去年からいたけど)とエウシーニョを置く新布陣でした。しかし、山形の厳しいプレスにあって、思うように中盤でボールが回りません。
ならばと、ディフェンスラインの裏を狙ったパスを出しますが、いかんせん精度がなく、チャンスが作れません。この試合、ケンゴ絶不調でしたね。マークがキツかったせいもあるし、味方の動き出しも良くなかったのもありますが、特に後半はパスが悉く引っかかってました。
山形の守備ブロックの作り方は見事で、フロンターレがアタッキングサードに入る頃にはスペースは殆どなかったです。フロンターレは前線で殆どチャンスが作れませんでした。枠内シュートは何本あったでしょうか。攻めあぐねているうちに、お笑い系だと思ってフリーにしていたキム・ボムヨンに決められ、そのまま流れを変えることができずに試合終了でした。
ということでちょっと不甲斐なかったですね。せっかく盛り上がって見始めたのに、終わる頃にはすっかり冷めてました。石崎監督が格上の古巣相手に見事勝利、だったんですが、この日の出来じゃどことやっても苦しいだろと、感慨深くなることもありませんでした。今年のフロンターレどうなの?というより、これで大丈夫かと不安になりました。
まず、サイドからの攻撃がなかったです。中を固められているんだから、サイドにディフェンスを釣り出さないといけないはずですが、時々ドリブルで突っ込むだけで、そういう崩しの意図は見られなかったです。これは山形のサイドが頑張ったこともあると思いますが、それにしても芸がない。そう、何か芸がないなと試合中ずっと思ってました。
3トップの真ん中大久保は偽トップで、自由に中盤に下がってくるんですが、その分プレスを受けて中盤で埋もれてました。山形のディフェンスラインを下げてスペースを作るために、前で張ったり、裏に抜けたりという動きが必要だったと思いますが、そういうのなかったですね。小林もレナトも。動きに連動性がなかったです。
斜めに下がってきてポストプレーをする動きを見せていましたが、そのあとが繋がらない。パスサッカーどこ行ったという感じでした。パスが繋がらないのは山形のプレスだけではなかったと思います。どうも去年の終盤から流れが悪いですよね。
まあディスると勝ち出すんで、また次からはガラッと変わるかもしれませんが、それにしても良いとこなかった…。
きっと寒かったせいですよ。今年はW杯もないし、ACLも出ないし、まだモチベーションが上がってないんですよきっと。
また怪我しちゃったね。