夏ですね。外でトレしてるときはいいんですけど、それ以外のときはやってられない暑さです。涼しいとこで酒飲んでダラダラしていたい。まあいつもそう思ってるんですけど、最近心の底から思います。
というわけで、今回ご紹介するのはウイスキーの本です。
何かタイトルがなと思ったら原題もwhisky dreamでした。'whisky dream,waking a giant'
酒の本というと、増田晶文の「うまい日本酒はどこにある?」のような、日本酒なりワインなり、その酒について網羅的に書かれた本が思い浮かぶんで、この本もタイトルを見てその手の本かと思ったら違いました。
ブルイックラディという閉鎖されていたウイスキーの蒸留所を、大手企業から買い取って復活させた話です。私、ウイスキー好きですけどあんまり詳しくなくて、ブルイックラディ知らなかったんですが、読んだら飲みたくなりました。そういう本です。
ロンドンのワイン商がブルイックラディのビンテージを飲んでその味に魅せられ、そして蒸留所が閉鎖されていることを知り、苦労して買い取り、かつて働いていた地元の人や、凄腕のディスティーラーを連れてきて、19世紀に作られた施設を再開します。昔ながらの製法に、ワイン製造のアイデアを取り入れながら、ユニークなウイスキーを作り出していきます。
私は好きなんですけど、お酒のデザインとしてどうなんですかね。社内でも化粧水かよなんて言われたりしたらしいですけど。外見はシャレオツですが、原料の大麦を昔のものにしたりと実験的なこともしています。
アクアマリンはアイラの海の色だそうですよ。
そうした再建の奮闘話と、大手企業に負けないブルイックラディのユニークなこだわりみたいなものが描かれてるんですが、基本的なウイスキーの作り方や、ブルイックラディやスコットランドのウイスキーの歴史、アイラ島の自然や人の素晴らしさについても書かれていて、ウイスキー入門書としてもなかなかです。
おかげでウイスキーに大分詳しくなった気がして、この本読んでしばらくして公開されたケン・ローチの「天使の分け前」を楽しみに観に行ったんですが、あんまウイスキー作るとことか出てこなくて物足りなかったですね。
映画自体そこそこな内容だったな…。
去年買ったブルイックラディのラディ10が残ってるんで、早くシャワー浴びてロックで飲みたい気分ですが、今回調べて知ったんですけどブルイックラディ、買収されちゃったんですね。まだ1本買っただけの付き合いですが、この本に描かれているような気鋭の蒸留所が変わってしまうと残念です。ということでシングルモルト好きな方、早く買ってこの本読みながら飲むといいですよ。
ブルイックラディのウェブサイト見に行くとなおいいですよ。 ジム・マキュワンも動画に出てきます。