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boofoooohの日記

サッカー/音楽/本/大人になってからのフットサル

「この世界の片隅に」を観て読む

昨年末、映画「この世界の片隅に」が凄い話題でしたね。ネットに溢れる絶賛の声に押されて、私もしばらく前に観てきました。 今年1番とかもう何回観たとか、とにかく感動したみたいな感想と、片渕監督のリサーチの徹底ぶりが話題になってて、なんかこう、そ…

虚言と嫉妬 宮沢賢治「土神と狐」を読む

先日、SNSでは華やかな生活を装っていた女性が、オークション詐欺で捕まった無職の女性なんじゃないかというニュースが話題になりましたね。年収3000万円という触込みで、ブランドバッグやら高いお店やら旅行の写真をアップして人気だったらしいんですが、実…

リディア・デイヴィス「サミュエル・ジョンソンが怒っている」を読んでその短さについて考える

リディア・デイヴィスの日本では2冊目となる短編集が出ました。1冊目の「ほとんど記憶のない女」から10年振りです。「ほとんど記憶のない女」を読んだのは昨年で(→リディア・デイヴィス「ほとんど記憶のない女」を読む)、以来、彼女のことが気になっていた…

おくやまゆか「たましいいっぱい」を読む

あっつい…。運動してるときはまだいいんですけど、そうじゃないときにじわじわ汗が出るのがなんとも不快です。涼しいもの涼しいもの…なんてときにこんな絵どうですか。 atari.blog: ゆったり泳ぐ から おくやまゆかのことは、何がきっかけか忘れてしまいまし…

ヴェンデラ・ヴィーダ「行く先は晴れやかに あるいは、うろ覚えの詩が世界を救う」を読む

歳のせいなのか、インターネットの影響なのか、長時間集中して何かを読んだり観たりというのが難しいこの頃です。せわしなくクリックやスワイプするように、ちょっと怠くなると本を放り出し、再生機器の停止ボタンを押し、といった具合に。 もちろん、早く先…

イーディス・ウォートン「幽霊」を読む

イーディス・ウォートンは、20世紀初めに活躍したニューヨーク生まれの作家で、映画にもなった「エイジ・オブ・イノセンス」の作者でもあります。この「幽霊」は、彼女が幽霊を題材に描いた短編をオムニバスにしたもので、この日本版にはオリジナルに2編加え…

ソウル・ミュージックを学ぶ

あけましておめでとうございます。 というより明日から仕事なんで全然めでたい気分じゃないですね…。連休の最終日をいかがお過ごしですか?とりあえず今年もよろしくお願いします。 私は年末にひいた風邪をずっと引き摺ってしまったおかげで、ためこんだ本や…

詩と科学の交わるところ 高野文子「ドミトリーともきんす」

今、ファラデーの「ロウソクの科学」を読んでいるんですが、昔途中で放り投げたくせに、面白いです。それというのも、高野文子の「ドミトリーともきんす」が大きかったと思います。 「ドミトリーともきんす」高野文子 以前書きました黄色い本(「本を読むと…

デイヴィッド・ガーネット「狐になった人妻」を読む

先日、長い時間かかってデイヴィッド・ロッジの「絶倫の人:小説HGウェルズ」を読み終わりました。ロッジの本は結構一気に読めちゃうんですが、これは濃かった。登場人物も多いし。職場で読んでるとこを見られ、何の本読んでるんですか?と面白そうな顔して…

空気を読まない審判に花束を

重要な場面での自分の判断が間違いかもしれないなら、判断するよりしない方がまし、と考えてしまうのは人間誰でもそうなので、理解はできるところなんですが、それを、「審判は試合に介入すべきじゃない」という一見正しいフレーズで正当化するのはどうなん…

リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」を読む

みなさん、眠くないですか。 私、数年前から昼間の眠気が激しくなって、仕事中ボーッとしてしまうんですが、白昼夢を見るダメ探偵が出てくるブローティガンの「バビロンを夢見て」みたいだなと思ってたら、先日睡眠時無呼吸症候群と診断されました。メタボじ…

ネストール・アルメンドロス「キャメラを持った男」をついに読む

この本を知ったのは、訳者である武田潔の講演でした。アテネ・フランセという外国語学校の文化センターでのもので、エリック・ロメールの「クレールの膝」の上映とセットでした(確か)。

「ウイスキー・ドリーム アイラ島のシングルモルトに賭けた男たち」を読む

ブルイックラディという閉鎖されていたウイスキーの蒸留所を、大手企業から買い取って復活させた話です。私、ウイスキー好きですけどあんまり詳しくなくて、ブルイックラディ知らなかったんですが、読んだら飲みたくなりました。そういう本です。

ジャック・ロンドン「火を熾す」を読む

表題作は、舞台がユーコン川っていうからアラスカなんですかね、マイナス45度の雪原で濡れしまった足を乾かすために、焚き火を起こす男の話です。男は犬1匹と仲間の野営地を目指して歩いているんですが、なぜそうなったかという説明はありません。動いていな…

斎藤隆介「天の赤馬」を読む

子どもの頃読んで面白かった本も、大人になってから読むと御都合主義的なところが目についたりして、印象が変わってしまうことがありますが、ちょっと主人公が立派すぎないかと思った以外は、冒険物語として十分面白いです。冒険の舞台は権力者に立ち向かっ…

リディア・デイヴィス「ほとんど記憶のない女」を読む

リディア・デイヴィスは、「書くことについて書く」「考える(た)ことについて考える」タイプの作家で、そのためこの本でも物語としての体裁を保っているものは少数です。唐突な話の展開や、話者が誰なのか分からくなるような複雑な作品と、作者の心情がそ…

橋本治「愛の矢車草」を読む

今頃ですが、去年出た橋本治の「初夏の色」を読みました。一昨年から昨年にかけて書かれた短編を集めたもので、東日本大震災がところどころに顔を出しています。橋本治は独特の視点で時代を語り、小説でも同時代に向けた批判的な思考から書かれたものが多い…

輪島裕介「創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史」を読む

「オギナワー!」 みなさん、演歌は聴きますか? 今回取り上げる本は演歌の本です。なぜに演歌か?それは長谷川町蔵のツイートで見て面白そうだったからです。「演歌は西洋音楽である」ってへええと思って、書名が「創られた日本の心・・・」じゃないですか…

ヴェルディは嫌いですか

ちょっと前に、ヴェルディからU-21代表の中島翔哉がFC東京に移籍したというニュースが話題になりました。彼は、ジュニアユースの頃からヴェルディに在籍していた、いわゆる生え抜きで、年代別の10番背負ってるわけですから、低迷するチームにとっては宝物の…

本を読むということ 高野文子「黄色い本」

忙しいときの方が本て読むよなあと、雪で外出できずに空いた時間を無為に過ごしながら考えてます。朝、体を動かさないと調子出ないんですよね…。何かする気が起きないというか。 でも、いったん読み出して嵌ってしまうと、読んでる時間が大切になってきて、…

イーサン・ケイニン「エンペラー・オブ・ジ・エア」を読む

これは、80年代後半に幾つかの秀逸な短編で注目を集めたイーサン・ケイニンの最初の単行本です。短編集で、どの作品も瑞々しく、そしてある種の苦さを伴っていて、読後に静かな余韻を残します。

姪っ子に本を贈る 「思い出のマーニー」

男子はね、いいんです。絵本の次はこれかなって、自分の経験で大体わかるんで。 困ったのは女子ですよ。これは自分の読書経験だけでは男子側に偏っちゃうんで、どういう本がいいのか、探さなくちゃなりません。しかも姪っ子、字の多い本は苦手ときてます。

天久聖一「少し不思議。」を読む

天久聖一は、TVブロスの連載コラムが大変面白かったのと、ときおり見せる小説的なフレーズが意外にも本格派な感じがして、書けばいいのにと思っていたら文學界で連載始めたと知って、作品については物凄く期待しました。